甲状腺機能低下症の症状と対策について

甲状腺機能低下症の症状と対策について

甲状腺とは何か?

まずは、甲状腺とは一体何なのかを話したいと思います。甲状腺とは、首の前の部分にある、のどぼとけの下にあって、重さが16グラムから20グラムあります。大きさは、縦約5センチ、横4センチくらいの臓器です。

鏡を前にして、真正面から見ると、蝶の形に似ています。気道や食道とはつながっていない臓器です。

甲状腺ホルモンT₃、T₄という、身体にとって必要不可欠なホルモンを作っています。このホルモンは、身体の新陳代謝を調節する働きがあります。

新陳代謝は、脂肪燃焼や活動に必要なエネルギーを作ったり、古くなった細胞を新たにつくりかえたりして、身体の機能を維持しています。

甲状腺ホルモンと甲状腺機能低下症の関係

甲状腺ホルモンとは

甲状腺ホルモンとは何かと言うと、先ほども話した通り、身体の新陳代謝を調節しています。この甲状腺ホルモンが、多すぎても少なすぎても、身体にとってはよくありません。

甲状腺ホルモンがきちんと分泌されるためには、脳の視床下部と言う場所から、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)が分泌される必要があります。

甲状腺ホルモンの量は、多すぎても少なすぎても身体にとって良くないため、常に一定の量に保たれるよう調節されています。

甲状腺ホルモンの量が多くなると、視床下部や脳下垂体がその分泌される量を低下させるように働きます。

・視床下部の働き…体温の調節、睡眠、生殖、代謝の働きを調節する器官
・脳下垂体の働き…身体の働きに関係する多くのホルモン分泌を刺激する下垂体ホルモンを分泌する器官

甲状腺機能低下症とは

甲状腺ホルモンの分泌量が不十分になる病気です。代謝内分泌疾患の一つです。反対に、亢進症になるとバセドウ病と言う病気になります。

私が甲状腺機能低下症と分かったきっかけ

私は幼いころから、アレルギー体質で、花粉の季節以外でも、1年中アレルギー薬を手放せないような人間です。特にひどいのがダニアレルギーで、雨模様になると本当に憂鬱な気持ちになります。

アレルギーはいったん発症すると、薬を飲んでもなかなか症状がおさまりません。くしゃみや鼻水、目のかゆみに、全身のかゆさがいっぺんに来ます。

慌てて薬を飲んでも、半日治らない時もあります。なので、私は、あらゆる薬を常備して過ごしています。飲み薬はもちろん、点鼻薬、目薬、かゆみ止めの軟膏などです。つくづく自分の体質が嫌になります。

そんなひどいアレルギー体質の私が、いつもお世話になっている耳鼻咽喉科へ、今年も1年アレルギーを抑えるべく、薬を処方してもらいに行ったのがきっかけでした。

耳鼻科での診察

医師が診察をしていると、急に医師から「少し喉が腫れているね。」と、言われました。急だったのですごく不安な気持ちになったのを覚えています。

「念のために血液検査をしよう。」とも言われました。そこで、改めてアレルギー検査と一緒に、甲状腺の血液検査も行うことになりました。一緒に血液を採ったので、検査自体は注射で血液をとるくらいなので、そんなに痛いものではありませんでした。

ですが気分は最悪です。私は他にも病気を持っていたので、これ以上病気が増えるのが恐怖でした。

1週間後、血液検査の結果は、ずばり「橋本病」の一歩手前と医師から診断を下されました。家族に相談をして、大きな病院へ行くよう医師から言われたので、直ぐ予約を取りました。

予約&再度血液検査へ

予約を取って血液検査をもう一度やりました。この病気は血液検査がとても重要な役割を果たしているそうです。

そして大きな病院での診察が始まりました。ドキドキと悲しさとともに、また病気が増えてしまうむなしさや辛さが、一挙に私を襲いました。一緒に病院に連れてきてくれた家族も心配顔でした。

そして大きい病院から、2度目の血液検査結果を聞かされました。やっぱり「橋本病」でした。要するに甲状腺機能低下症と言うことです。薬を飲んでもいいレベルだけど、飲まなくても様子を見てみたいと医師から言われました。

最初は医師の指示通りに何もせずに言われるがまま過ごしていましたが、ホルモンの力は物凄く、疲れが以前の倍以上きたり、眠気が全然取れなかったり、急な吐き気がきたり、症状は本当に多種多様な姿で現れてきました。

レボチロキシンNa錠

3回目の診察で、どうしても辛いので薬を出してくださいとお願いをしました。その薬は、「レボチロキシンNa錠」と言うものです。医師からの話しですと、もともと人間の体内にあった物質なので、副作用が出ることは本当にまれなので安心してくださいとのことでした。

そして、2017年12月から「レボチロキシンNa錠」を、毎朝1錠ずつ飲み始めました。医師からは、直ぐに効果が出る薬ではないので、1週間から2週間くらい様子を見てくださいとのことでした。

確かに、飲み始めてから1週間は何も変わらない状態で、寝たきりの日もありました。2週間ころから少しずつ薬の効果が出てきたのか、朝起きるときの辛さが、以前よりも軽くなった気がしました。

そして、1カ月間飲み続けてみて、朝起きる事が以前より少しは楽になった事、踏ん張りがきくようになった事、喉の腫れがひいてきたこと、倦怠感が多少は軽くなった気がしました。

甲状腺機能低下症との付き合い方

甲状腺機能低下症と言う病気が分かってからは、とにかく無理をしない事と、睡眠をきちんととることを心掛けてきました。朝起きて調子が良くても、午後になるとだるさがひどくなって動けない時もありました。そんな時は家族に甘えて、横になっていました。

今後も、症状の改善を目指して、自分が思うよりも少し手前で休むこと、ギリギリまで我慢しないこと、辛い時は素直に辛さを伝えて休むことなどを続けていきたいと思っています。

調べた結果、甲状腺機能が低下してくると、全身の代謝が低下するので、精神機能が低下して眠気が出たり、記憶障害があったり、抑うつ状態になってしまうことがあると、わかりました。ただの怠けと自分でも思ってしまい、自分を責めてしまっていましたが、病気がそうさせているのだから、出来るときに頑張ればいいと思えるようになりました。

同じ、甲状腺機能低下症と診断された方々と思いを共に頑張っていけたらと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。