花祭りってどんなお祭り?何をお祝いすればいいの?
- 2018.02.05
- 行事
春が近づくと、きれいな花がたくさん咲き始めて心が浮き立ちますね。花という言葉がついたお祭りと言えば、花祭りのことを思い浮かべる人が多いと思います。ところが、花祭りと聞いてもどのようなお祭りのことなのか、きちんと答えられる人は少ないかもしれません。では、花祭りとは何をお祝いするお祭りなのでしょうか。
花祭りの歴史とは?お釈迦様と関係がある?
花祭りとは、お釈迦様(ゴータマ・シッタールダ)の誕生日をお祝いする仏教のお祭りのことです。旧暦の4月8日に生まれたと伝えられています。
お釈迦様と天上天下唯我独尊の関係
お釈迦様はインド北部のルンビニ園で生まれたとされています。王子の身分でしたが、29歳で出家し、35歳で悟りを開きました。生まれてすぐに7歩歩いて右手で天、左手で地を指し、「天上天下唯我独尊」と言ったと伝えられています。「天上天下唯我独尊」とは「生きているものは全てそのままで尊い存在である」という意味です。
お釈迦様の聖地、ルンビニ園
ルンビニ園はたくさんの花に恵まれた土地で、お釈迦様の誕生日にも花をたくさん供えたことから、花祭りと呼ばれるようになったという説があります。別名が数種類あり、灌仏会(かんぶつえ)、降誕会(ごうたんえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、龍華会(りゅうげえ)、浴仏会(よくぶつえ)、花会式(はなえしき)とも呼ばれます。
花まつりの起源・由来
花祭りの起源は、インド西域の行道という礼拝行事と、行像という行列を組んで回る行事にあるとされています。それが7世紀頃中国を経由して日本に伝わり、花祭りとして受け継がれてきました。
草花で装飾された花御堂の中に、お釈迦様の像が安置されています。像の周りは甘茶で満たされており、その甘茶を柄杓で像にかけてお祝いします。また、虫除けのおまじないとして「千早振る卯月八日は吉日よ、神さけ虫を成敗ぞする」と書いた紙を戸口に下げてきました。今ではこのような虫除けの風習は廃れてしまいましたが、子供の健やかな成長を願った稚児行列は今でも行われています。
甘茶をかける理由
では、なぜお釈迦様の像に甘茶をかけるのでしょうか。これにも言い伝えがあります。お釈迦様が生まれた時、天に9頭の龍が現れて甘露を吐いたので、それを産湯として使ったという伝説が基になっています。江戸時代までは5種類の香水を使っていたようですが、江戸時代以降は甘茶をかけるようになりました。
甘茶とは何か?花祭りとの関係と祝う方法
甘茶は、ユキノシタ科のヤマアジサイの変種から作られたと言われていますが、現在では主に長野県で栽培されたものをお茶に加工しています。元々は苦い葉ですが、発酵させることによって甘いお茶になります。日本の甘茶は日本特有のお茶で、胃弱、食欲不振、利尿に効果があるとされています。甘茶で赤ちゃんの頭をなでると、元気で丈夫な子供に育つとも言われています。
甘茶の購入方法
甘茶をスーパーマーケットなどで見かけることは少ないと思いますが、インターネットの通信販売で購入することができます。特別な花祭り料理は無くとも、季節の料理と甘茶でお祝いしてみるのも良いですね。
花まつりの祝い方
花御堂やお釈迦様の像を家庭で準備することは難しく、花祭りを家庭でお祝いする機会はなかなかありません。仏教の行事ですから、灌仏会が行われているお寺に出かけてみると良いでしょう。
仏教系の幼稚園や保育園なら、稚児行列が行われているかもしれません。きれいに着飾った子供たちが練り歩く姿は、きらびやかで春に華を添えます。
花まつりについてのまとめ
・花祭りはお釈迦様の誕生日をお祝いする行事のこと。
・花で飾った花御堂で、甘茶をお釈迦様の像にかけてお祝いする。
・甘茶は通信販売などで購入できる。
・仏教系の幼稚園や保育園では稚児行列をするところもある。
クリスマスを祝うのに、花まつりはあまり祝ってもらえない。
ちょっと悲しいですが、やはりイベントごとは気持ちが昂る仕掛けがあったほうが盛り上がりますね。
いち花まつりファンとしては、花まつりにも、もっと仕掛けがあればな、と思うこともあります。
とはいえ、ハロウィンのように、ただ騒げばいいかというとそうではないと思います。
悩ましいところです。