月面探査レースは、いまどうなっているのか?

月面探査レースは、いまどうなっているのか?

先日、月面探査レースで、日本のHAKUTO窮地、という情報がありました。

いったい何があったのか?そもそも月面探査レースとはいったいどういうものなのか?について調べてみました。

月面探査レースとは?

月面探査レースは正式名をGoogle Lunar XPRIZEといいます。Googleがスポンサーとなっているプロジェクトで、月面で無人探査機を用いたレースが開かれる。実態は、民間による月面探査を目標とするコンペ。つまり民間の力で、優秀な探査機(自走ロボット:ローバー)を送り込み、様々な機能が実行できるか、探査に使える探査機を送り込めるか解析できるかどうか、実際に機械を作ってもらって実証してもらおう、というものです。

当初は民間の34のチームが参加して競い合うことになっていましたが、2018年1月現在では脱落者が続出し、日本のHAKUTOを含む5チームでレースが行われています。

優勝賞金は2000万ドル。賞金総額は3000万ドルあり、過去に月面に到達した探査機といった「人工物の発見」や、「水または氷の発見」などにも賞金が掛けられています。

 

月面探査レースのミッションクリアの条件

ミッションの条件は3つある。
1つ目に 月面にロボット探査機を着陸させること
2つ目に 着陸地点から500m移動させること
3つめに 月面での移動を示すHD画質以上の動画や静止画を地上へ送信すること

月面探査レースで現在競っているチーム

最初に参加した34チームから、脱落者が出て、現在は5チームで競ってます。
アメリカ   ムーン・エクスプレス
インド    チーム・インダス
国際チーム  シナジー・ムーン
イスラエル  スペースIL
日本     HAKUTO

現在の状況

2018年3月31日が締め切りとなっているが、まだどのチームがゴールに到達するかわかりません。

HAKUTOについても厳しい状況が発生していますが、既に二度締め切りを延長しており、三度目の延長があるかもしれません。

月面探査レースの展望

ミッションの条件はいずれもハードルが高い。ロケットの打ち上げ技術に、月面への着陸と、そうした技術を持つところは少ない。
また月面環境(昼間120℃、夜間-170℃)の極端に変動する条件でローバー(無人探査機)を移動させることができるか。
ローバーの装置が最後まで壊れずに持つかが勝負の鍵である。

月面探査レースによって得られる物

月面レースが行われることで、これまでにないユニークな技術が生み出されたり、ブレークスルーが起きる。素材革命が起きるかも。新技術が生まれたら、何かができるようになるかも。そのことを期待している。
ただゴールするだけじゃなく、ゴールを目指す課程で創意工夫が行われることで、得る物が出てくる。

なぜ、プロジェクトHAKUTOのローバーSORATOが危機に陥っているのか

SORATOは独力で月面に行く計画ではありません。
ライバルのインドチームと相乗りして月面を目指すことにしていました。

当初は2017年12月28日に打ち上げを予定していたのですが、資金難を理由にインドでの打ち上げが難しくなり、現在は打ち上げ日程を調整中です。
3月31日の期限内にゴールできるどうかは微妙なところ、というわけで期限の延長を申請しているとのこと。

もしインドから打ち上げられなくても、他で可能かどうかを検討しているとのことです。

SORATOについて

日本チームのHAKUTOのローバーは、SORATOと名付けられている。
大きさは縦580×横536×高さ358ミリのサイズで、重量が4kgと軽量に設計されている。
中空の歯車型のタイヤを採用し、砂地でも走れるようにしている。本体に太陽光パネルを貼り、その電気で動作する仕組みだ。
月面を360度撮影できるようにカメラを4つ搭載していて、ハイブリッド通信が可能になっている。

 

月面探査レースのまとめ

月面レースは、壮大さの割にあまり話題になっていません。おそらく、これまで2度の期限延長があり、あきらめムードというか時期尚早という声があるからかもしれません。

しかし、もしどこかのチームがゴールすることができれば、次々と続く人が現れ、技術は飛躍的に進歩すると思われます。

日本も参加しているプロジェクトですので、ぜひ応援しましょう!