春眠暁を覚えずの春眠とは何か?本当にあるのか?
- 2018.02.09
- 行事
春になると眠くて朝なかなか起きられず、時には二度寝をしてしまって後悔することもありますね。
そんな時「春眠暁を覚えずだから」と言い訳をしたくなりますが、本当に春は眠くなる季節なのでしょうか。
そもそも「春眠暁を覚えず」とは何のことか?
「春眠暁を覚えず」とは、孟浩然(もうこうねん)の詩「春暁(しゅんぎょう)」からきています。
春暁
春眠不覚暁
(春眠暁を覚えず)
処処聞啼鳥
(処処啼鳥を聞く)
夜来風雨声
(夜来風雨の声)
花落知多少
(花落つること知る多少)
詩の意味
孟浩然(689~740年)は唐の代表的な詩人です。
一般的には「春の眠りは心地良くて夜が明けたのにも気がつかず、鳥のさえずりが聞こえる。昨夜は嵐の音が聞こえていたが、花がたくさん散ってしまったことだろう。」と解釈されています。
春先に、眠くて朝起きられないことを表現する場合には、この解釈を基にしているのです。「暁」という言葉が入っていますから、昼間に眠くなって居眠りをする際には使えない表現です。
実は、春暁の「春眠暁を覚えず」の部分には、もう2つ別の解釈があります。
1つ目は、「春は冬と比較すると夜明けが早いから、いつも通りの時間に目が覚めても、もう既に明るくなってしまっている。」というものです。この解釈によりますと、寝坊をしたわけではなくていつも通りに起きていることになります。
2つ目は、夜間に鳥の声や風雨の音を聞いていることから、「夜ぐっすり眠れずにいて、明け方に眠りについた」というものです。
もっとも、この説はあまり目にしませんから、一般的に知られている解釈は「春の眠りが心地よくて朝起きるのが遅い」と「いつも通りに起きたら夜が明けて既に明るくなっている」の2つです。
春眠は何故起こるのか?本当に起こる現象なのか?
眠くなる季節は春に限定されるのでしょうか。
実は、人の睡眠時間が長くなるのは冬なのです。
人は冬眠こそしないものの、冬には活動量が減少し、日照時間が短くなることで自然と睡眠時間が長くなるのです。
ですが、「春になると実際に眠くて仕方がない」と思う人が多いのではありませんか?
日照や気温のせいで眠くなるというデータがないとされる一方で、他の要因で眠気に襲われるという説があります。
暖かくなると生物の血管が拡張します。
その結果、内臓や脳の温度が低下することによって眠気を感じるようになるといわれています。
また、暖かくなると活動量が増え、疲労を感じて眠くなるという説、春先の寒暖差によって自律神経が乱れて眠くなるという説もあります。
結局のところ、人によって春先に眠気を感じるかどうかは違うようです。
寒い冬でも暖房が効いた室内にいる時に眠気を感じたり、睡眠時間が短い場合は眠くなったりすることがあるでしょう。
また、春は環境が変わる季節でもありますから、緊張やストレスで疲れやすい時期でもあります。
春眠の時期とはいつ頃のことなのか?
気になる春眠の時期ですが、寒暖の差がある春先、特に3月のことだという説があります。
ところで、日本では「睡眠の日」が定められているのをご存知ですか?
睡眠の日は3月18日と9月3日の2回あります。
3月18日は、世界睡眠医学協会が定めている世界睡眠デーにも当たります。
睡眠の日の前後1週間を睡眠健康週間として、睡眠に関する啓発活動を展開しているようです。
春眠の時期に、自身の睡眠の質を見直してみましょう
・春眠暁を覚えずとは、孟浩然の詩「春暁」からきている。
・春だから眠くなるというデータはないといわれている。
・一方で、脳温の低下、活動量の増加、自律神経の乱れなどで眠くなるという説もある。
・3月18日、9月3日は睡眠の日に定められている。
日本人の睡眠時間は短い傾向にあるようです。睡眠不足は生活習慣病の原因になるともいわれており、健康と健全な日常生活を守るためには、睡眠の質と時間を見直す必要がありそうです。
コメントを書く