動画で比較するコオロギの鳴き声の種類について

動画で比較するコオロギの鳴き声の種類について

秋の夜はコオロギの鳴き声が聞こえますよね。
「鳴き声は聞こえるけど、いったい何コオロギの鳴き声なんだろう」このように思われている方、いらっしゃるのではないでしょうか?
この記事では、そんな方のために有名なコオロギの特徴や鳴き声などを紹介します。

有名なコオロギの種類って? 特徴や鳴き声は?

一般的に有名と言われているコオロギの種類を挙げるとすれば、「エンマコオロギ、ハラオカメコオロギ、ミツカドコオロギ、ツヅレサセコオロギ」です。
早速それぞれのコオロギについて説明したいと思います。

エンマコオロギ

エンマコオロギは、最も有名だと言ってもいいほどに有名なコオロギだと思います。
多くの方が聞いたことのある名称ではないでしょうか?

日本中全国的に分布しており、北海道北部と南西諸島以外であればどこでも見られるコオロギです。
草の茂っている場所や畑などによく生息しています。
エンマコオロギの成虫は、体長が26mmから32mmほどで、8月から11月にかけて出現します。

見た目としては黒褐色の背面に腹部は淡褐色、側面や前翅は赤っぽい感じです。
複眼の周りに黒い模様があり、その上に淡褐色の帯が入っているのですが、その模様が閻魔の憤怒面のように感じられることから、「エンマコオロギ」という名称が付けられたようです。

鳴き声は、「コロコロコロリー」という感じです。
メスを呼ぶ際やオス同士の争いの際などに前翅を立て、こすり合わせて鳴くのですが、メスを呼ぶ際は鳴き声を長く伸ばし、オス同士の争いの際は正に争っている感じで、普段より早く短い鳴き方をします。

コオロギは夜行性なので鳴く時間帯は基本的に夜ですが、昼間に鳴いたりもします。
エンマコオロギの鳴き声

ハラオカメコオロギ

ハラオカメコオロギは、北海道から本州、四国、九州と広く分布しています。
このコオロギも、草の茂っている場所や畑などによく生息しています。
ハラオカメコオロギの成虫の体長は13mmから18mmほどで、8月から11月ごろにかけて出現します。
見た目に関しては、頭部顔面が扁平し、前傾しています。
この頭部の輪廓の下側が下膨れ気味なのですが、それがお亀のように思われることから、「ハラオカメコオロギ」という名称が付けられたようです。
ハラオカメコオロギの最大の特徴ですね。

鳴き声は、「ジッジッジ」や「リッリッリ」などという風に鳴き、メスを呼ぶ際やオス同士の争いの際などに鳴きます。
このハラオカメコオロギも、オス同士の争いの際は普段より早く短い鳴き方をします。
また、夜行性ではありますが、昼間でも鳴いたりします。

ハラオカメコオロギの鳴き声

ミツカドコオロギ

ミツカドコオロギは、本州から四国、九州と分布しています。
このコオロギも、草の茂っている場所や畑などによく生息しています。

ミツカドコオロギの成虫の体長は、15mmから20mmほどで、8月から11月ごろにかけて出現します。
見た目としては、ハラオカメコオロギと同じように頭部顔面が扁平で前傾しているのですが、ミツカドコオロギはそのうえその輪廓の左右や上方、口器が突き出しています。

その他最大の特徴は、背面から見た場合、左、右、前方と角(かど)があるように見えることです。
「ミツカドコオロギ」という名称も、この三つの角(かど)があるように見えるところからきているようです。

鳴き声は、「じっじっじっじ」や「きっきっきっき」などという風に鳴き、メスを呼ぶ際やオス同士の争いの際などに鳴きます。
このコオロギも勿論、争いの際は普段より早く短い鳴き方をしますし、夜行性ではありますが昼間も鳴くことがあります。

ミツカドコオロギの鳴き声

ツヅレサセコオロギ

ツヅレサセコオロギは、北海道から本州、四国、九州と広く分布しています。
草の茂っている場所や畑、庭などによく生息しています。

ツヅレサセコオロギの成虫の体長は13mmから22mmほどで、8月から11月ごろにかけて出現します。
見た目に関しては、体色が黒褐色で頭部には光沢があります。
また、後頭部には黄褐色のすじが何本かあります。

「ツヅレサセコオロギ」という名称は、昔の人が秋の終わり掛けに生き残って鳴いているツヅレサセコオロギの鳴き声を聞き、その鳴き声をなぜか「肩刺せ、裾刺せ、綴れ刺せと言っている」などと感じてしまったことからきているようです。
ちなみに、「肩刺せ、裾刺せ、綴れ刺せ」とは、「着物の肩や裾に針をさしてつづれを直しておきましょう」という意味があるのです。
昔の人はコオロギの鳴き声一つもこの様に連想し、冬に備えていたんですね。すごい想像力です。

ツヅレサセコオロギの鳴き声は、上記に書いたような「肩刺せ、裾刺せ、綴れ刺せ」という鳴き声ではありません。
文字で書くと、「リーリーリーリー」という感じです。
このコオロギに関しても、メスを呼ぶ際やオス同士の争いの際などに鳴きます。

ツヅレサセコオロギの鳴き声

コオロギの鳴き声比較についてのまとめ

いかがでしょうか?4種類のコオロギの紹介をしてみました。
これらのコオロギの鳴き声はどれも耳にしたことがあるのではないでしょうか?家の庭や近所の公園など、いろいろな所に生息しているかと思いますので、是非一度探してみてください。